物流大手合併?トーハンからニッパンに帳合変更比較して分かったこと
2019/06/21
トーハンと日販どう違う?
文教堂時代 取次がトーハンからニッパンに代わりました
文教堂のトーハン
TSUTAYAの日販
と言われていました
その犬猿の仲同士だった両書店が同じ日販帳合となることは書店業界ではすごく話題になりました
文教堂の現場の私はその渦中の中にいました
これから物流拠点の共有化など二強書籍取次から目が離せません。
トーハンと日販を比較したいと思います
トーハン時代良かったこと
- 返品をたくさん出しても文句が無かったと思います
- 返品の逆送品が少ない 了解書はよほどの事が無い限り書く事が少ない
- トーハンとコラボの商品が多い(トミカ戦国武将、ゴジラなど)
- 書籍の新刊青紙があった
- 雑誌の新刊予定表が最初からプリントされている
トーハン時代イマイチだったこと
- 破損本があった場合雑誌 書籍とも担当者を通すのでなかなかつかまらない時はある
- 発売前のコミックス 書籍はFAXで注文する (手書きなのでタイトル長い本はキツイ)
- 閉店の時はバーコードをスキャンしなければならない
日販時代良かったこと
- コミックス 書籍の発売前の新刊予約はパソコンで出来る
- 破損の雑誌 書籍はそれぞれ直通の電話があり新しい本をすぐ手配できる
- 売れ筋本は自動で入荷するのでコンサートのチケットを取るような電話をかけることが無くなった
- 返品が完全に伝票レス ※トーハンも伝票レスだったが文教堂は伝票発行していた
- 閉店の時はバーコードスキャン不要で段ボールに詰め込んでテープで貼るだけでOKだった
- リリーフAという自動発注で素人でもベテラン並の仕入ができる
日販時代イマイチだったこと
- 文教堂筆頭株主なので立場が日販が上なので指示が何かと多い
- 書籍の新刊が入ってる段ボールのサイズがトーハン9号と比べ中途半端な大きさ
- 注文品が入っているダンボールが小さいサイズが多く返品に使えない
- トーハンでフリー入帳だった出版社が日販では返送品で了解書が必要
- 出版社に返品了解書下さいと言うと「ウチはフリーなのでいりません」といっても返送品で返ってくる
- 作業のほとんどをパソコン上で行うためスペックが低いものだとよくフリーズする
- トーハンであった書籍新刊青紙が無い
- 雑誌の発売予定表をわざわざプリントしなくてはならない
- リリーフAという自動発注システムの設定を間違えると店頭在庫がとんでもなく増える
- リリーフA本を返品するとまた同じタイトルの本が入荷する
- 棚卸のミスで在庫冊数が狂うと自動発注で常に差しで2冊ある状態になる1冊にしたいと思い1冊返品するとデータ上0冊になるのでまた入荷する結局2冊のまま ※架空で入荷処理してごまかす裏ワザはあるのだが・・・
- すべて自動発注になり自分が好きなコーナー&フェアを作ることがNGになった
- とにかく宝島社のバックや健康器具のムックの送品が多く陳列しきれない
- もともと日販の店舗は専用ハンディがありスキャンすると返品していい本か残しておく本か判断する機能がある
日販=TSUTAYAは健在
文教堂がすべて日販帳合になりました
文教堂のイメージはトーハンです
同じエリアに文教堂とTSUTAYAがある場合は文教堂を閉店にしています
今まではトーハンVS日販または(文教堂)VS(TSUTAYA)でした
日販としては同じ帳合なので文教堂は必要なくなりました
これからもそれは加速していくと思います
ロードサイド店はすべてTSUTAYAになる!?
紀伊国屋書店 ジュンク堂などは都市部を中心に展開しています
イオンショッピングモールは未来屋書店
ロードサイド店はワンダーグーなどもありますが いずれほとんどTSUTAYA化されるのではと思います
以前フジテレビのとくダネで小倉さんが「TSUTAYAの近くには必ず文教堂がある」と言ってました
私の記憶では先に文教堂ができて後からTSUTAYAができるパターンが多かったと思います
本来は「文教堂の近くには必ずTSUTAYAがある」が正しいと思います
日販はライバルトーハンの文教堂を手に入れて全書店TSUTAYA化を進めているのではと思います
まとめ
一般の読者にとっては「トーハン」VS「日販」はほとんど興味の無い内容だったと思います
書店業界のちょっとした裏話になります
私自身トーハンと日販どちらが良かったかと思うと
長年トーハンでやってきた人間ですからトーハンとなってしまいます
トーハン歴が短い方なら日販のほうが使い易いなどあると思います
それでも毎日のように書店が閉店していくのは寂しいです
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